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新紙幣のデザイン発表!刷新されるユニバーサルデザインとは

新紙幣発表とユニバーサルデザイン

2019年4月9日、政府は紙幣のデザインや紙質など、2024年度上半期をめどに刷新すると発表しました。

新しい紙幣は「ユニバーサルデザイン」を取り入れた、視覚的に識別しやすいデザインになる予定です。

ユニバーサルデザインとは何でしょう?
ユニバーサルデザインはWebデザインでも注目されているので、新紙幣とユニバーサルデザインについてご紹介します。

ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザイン (Universal Design / UD) とは、年齢や障害、体格、性別、国籍などに関わらず、たくさんの人々がわかりやすく使えるデザインのことです。
「すべての人のためのデザイン」と言われます。

「ユニバーサル」=「世界中の、万人の、普遍的な、例外なく当てはまる」などの意味があります。

ユニバーサルデザインは視覚的なデザインだけではなく、都市・建築・設備・製品・情報などを対象としています。

ユニバーサルデザインの原則7つ

ユニバーサルデザインは、アメリカノースカロライナ州立大学デザイン学部のロナルド・メイス氏が提唱したといわれています。

  1. 誰でも公平に使えること
    Equitable use
  2. 使う上で自由度が高いこと
    Flexibility in use
  3. 使い方が簡単で直観的にすぐわかること
    Simple and intuitive
  4. 必要な情報がすぐ分かること
    Perceptible information
  5. うっかりミスが危険につながらないデザインであること
    Tolerance for error
  6. 身体への過度な負担を必要としないこと
    Low physical effort
  7. アクセスや利用のための十分な大きさと空間が確保されていること
    Size and space for approach and use

紙幣刷新の目的は?

財務省は新しい紙幣に「新たな偽造防止対策」「ユニバーサルデザイン」などを予定していると発表しています。
2024年度上半期をめどに新紙幣を発行する予定とのことです。

世界初の「肖像の3D画像が回転する最先端のホログラム」
気になります。早く本物の新紙幣を見てみたいです。

新しい五百円貨幣についても、新たな偽造防止技術を用いた硬貨になる予定です。

新紙幣の肖像

画像は財務省Webサイトより引用しています。
新しい日本銀行券及び五百円貨幣を発行します : 財務省

今の一万円札の象徴、福沢諭吉の前は、聖徳太子の肖像でした。
長年「諭吉」と呼ばれ親しまれた一万円札は「渋沢栄一」の肖像に変わります。

新一万円札の肖像は渋沢栄一

新一万円札渋沢栄一

新一万円札は福沢諭吉に変わって渋沢栄一の登場。

渋沢栄一は、明治時代・大正時代の日本で約500社の企業を設立した実業家で、日本近代資本主義の父と呼ばれています。第一国立銀行、現 東京証券取引所、現 東京商工会議所の設立にも関わったといわれています。

新一万円札の裏面は東京駅丸の内駅舎の予定です。

新一万円札渋沢栄一の裏面は東京駅丸の内駅舎

一万円札を「諭吉」ではなく「栄一」と呼ぶ日が来るかもしれません。

新五千円札の肖像は津田梅子

新五千円札は樋口一葉に変わり津田梅子になります。五千円札は女性なんですね。

新五千円札の津田梅子

津田梅子は、1900年に女子英学塾(現 津田塾大学)を創立したことで有名です。日本の女子教育の先駆者で、それまでの行儀作法の延長の女子教育と違い、進歩的で自由なレベルの高い授業が評判となりました。

新五千円札の裏面はフジ(藤)の予定です。

新五千円札津田梅子の裏面は藤

新千円札の肖像は北里柴三郎

新千円札は野口英世に変わって北里柴三郎になります。

新千円札は北里柴三郎

北里柴三郎は、「日本細菌学の父」や「近代日本医学の父」として知られる細菌学者です。東京白金に北里研究所を創立し、北里柴三郎の没後、北里研究所創立50周年を記念して北里大学が創設されました。

破傷風などの感染症を抑える「血清療法」を開発。「ペスト菌」を発見したのも北里柴三郎です。

新千円札の裏面は、葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の予定です。

新千円札北里柴三郎の裏面は葛飾北斎の富嶽三十六景神奈川沖浪裏

葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の画像データはパブリックドメインに置かれていて、ニューヨークの「メトロポリタン美術館」のWebサイトでクリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)表記のもと公開されています。

美術館図書館のパブリックドメインデータ
無料&商用利用可能なCC0の作品を公開している美術館・図書館まとめパブリックドメインに置かれた所蔵作品のデジタルデータをクリエイティブ・コモンズ・ゼロとして公開する美術館や図書館が増えてきました。 ...

新紙幣のユニバーサルデザイン

新紙幣には、ユニバーサルデザインとしてお札の識別性向上などを予定しているそうです。

  • 指の感触により識別できるマークの形状変更及び券種毎の配置変更
  • 額面数字の大型化(表・裏)
  • 「ホログラム」及び「すき入れ」位置を券種毎に変更

ホログラムをはじめ図柄等の細部については、今後、検討の上、決定予定。

twitterの投稿をご紹介します。
「いままで◯十年、千円札と一万円札の見分けがつかなかった私が、見た瞬間に額面とデザインを理解した」とツイートされています。

まだデザインの詳細は検討中とのことですが、今までより明らかに大きい金額(数字)やフォント・色など、「見分けがつく」というのは紙幣に必要なデザイン設計だと思います。

個人的には、思い切って紙の色をそれぞれ劇的に変えてみると、財布に入っていても出しやすいかなと思います。
(100円玉と50円玉も見分けやすくしてほしいです…)

Webデザインにおけるユニバーサルデザイン

Webサイトの見え方は1つではありません。
パソコンかスマートフォンか、モニタによって色が違う、ブラウザのサイズなど、端末の設定でも見え方は異なります。

それに合わせて「誰でも公平に使えること」「使い方が簡単で直観的にすぐわかること」など、ユニバーサルデザインを取り入れたWebデザインも増えてきました。

情報バリアフリーポータルサイト

日本アクセシビリティ普及ネットワーク[情報バリアフリーポータルサイト]

障害を持つ当事者がつくる日本アクセシビリティ普及ネットワークが運営する『情報バリアフリーポータルサイト』では、可能な範囲でウェブアクセシビリティの普及活動を行っています。

ウェブアクセシビリティ事例集では、alt属性値の正しい書き方や画像の文字について詳しく解説されています。

手軽にアクセシビリティのチェックができる簡易チェックシート用検証ツールを開発・無料公開しています。

カラーユニバーサルデザイン3つのポイント

NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構CUDOでは、CUDのポイントを紹介しています。

  1. 出来るだけ多くの人に見分けやすい配色を選ぶ。
  2. 色を見分けにくい人にも情報が伝わるようにする。
  3. 色の名前を用いたコミュニケーションを可能にする。

カラーユニバーサルデザインチェック方法

色のシミュレータ

色のシミュレータ

1型(P型)、2型(D型)、3型(T型)の2色覚の色の見えをリアルタイムに確認し、一般型(C型)の色の見えと比較することができます。

iOS版アプリ、Google Playアプリも公開されています。

Adobe Photoshop、Illustrator

Webデザインでも使用する Adobe Photoshop、Illustrator のCS4からCUD(カラーユニバーサル)校正機能が搭載され、P型D型それぞれのシミュレーションを簡単に確認できるようになりました。
表示>校正設定

また、Photoshop では下記の方法でもユニバーサルデザインをチェックできます。
変換してみて情報がわからなくなってしまったり、文字が見えづらい場合は、色やデザインを見直してみましょう。

  • カラーモードをグレースケールにしてみる
  • フィルタ>ぼかし>ガウスを少しかけてみる

色彩検定のカラーユニバーサルデザイン UC級

色彩検定は今まで「1級」「2級」「3級」だけでしたが、2018年12月から「色彩検定UC級」が加わりました。
2019年6月23日からは全国の都道府県でUC級の試験が実施されます。

色彩検定UC級の検定内容は「特定の色の組み合わせが判別しにくい」「白内障等の眼の老化による色覚変化」など、色に携わる全ての人が色覚多様性について正しい知識を持ち、配慮をすることができる社会の実現を目指すものとなっています。

まとめ

新紙幣とユニバーサルデザインについてご紹介しました。

新紙幣は図案が変わるだけでなく「誰もが識別しやすい」多様性を考慮した新しいデザイン設計になるようです。
2024年度の紙幣刷新が楽しみです。

ABOUT ME
TERU
Webデザイナー歴10年以上、DTP経験5年以上。Webクリエイターとして企画から集客まで一貫したWebサイト制作を行っています。
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